本編

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第三章 電気

夜を夜として受け入れるようになってから、電気は光ではなく順番になった。最初の頃は、明るさが欲しかった。暗い場所で何かを見落とすこと、足をぶつけること、物の位置を確かめられないこと、そのどれもが不安を増やした。だから照明を点けた。点けられるだ...
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第二章 水

水は足りているうちは、考えなくていいものだった。正確には、考えていたのだろうが、考えるという行為のうちに含まれていなかった。蛇口をひねれば出る。湯を使えばあとで冷たい水が恋しくなる。冷たい水を飲めば、次に湯が欲しくなる。風呂に入る。皿を洗う...
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第一章 拠点

朝いちばんに確認するのは空ではなく、水だった。 屋上から垂らしてある集水パイプの継ぎ目は、夜のあいだにまた少しずれていた。脚立を出すほどではない。ポリバケツをひとつ下に置いて、落ちる滴を受けさせる。雨は夜明け前に少しだけ降ったらしい。コンク...